ミティラー美術館の目玉の一つ、ニルマニ・デーヴィーの壷が、まるでフィルムが巻き戻されたように、壷の上の方からと下の方から再生されてきている。この壷は、一昨年の地震後に年賀状にふれた壷で、その壊れ方を見て再生は不可能と思っていたもの。その壊れ方はあまりに見事で、棒を使ったり、持ち上げて落としたりしてこのようになるものではなく、ビルの爆破の解体現場のようで、3度にわたった大きなピークの地震と、その間にも幾度となく記録されている余震の揺れによって引き起こされたもので、04年10月23日の中越大震災を正確に記録したもの。復興してもこれだけは、そのままの状態で展示しようかと思って賀状にもふれていた。
それが傷つきながらも再生されてくると、美術館のもつ価値が、この一点だけでも甦ったように感じられるから不思議だ。地球上に、ここにしかない作品の復活に立ち会える瞬間は素晴らしい(by 館長)